「ショック・ドクトリン」の影。
「ショック・ドクトリン」 とは・・・
The Shock Doctrine?
「大惨事につけ込んで実施される過激な市場原理主義改革(The Rise of Disaster Capitalism)」という意味で、カナダのジャーナリスト、ナオミ・クライン(Naomi Klein)氏が昨年著した本のタイトルである。
新自由主義の経済学者ミルトン・フリードマンの「真の変革は、危機状況によってのみ可能となる」という主張に対する批判となっている。
-----はてなキーワードより。
・・・で、この記事。
2011年10月11日
asahi.com>環境>朝日地球環境フォーラム2011>吉田文彦の地球360°>記事
「ショック・ドクトリン」の衝撃
2004年12月に起きたスマトラ沖大地震は、インド洋に浮かぶ島国・
スリランカに巨大な爪痕を残した。襲ってきた津波のせいで
約3万5000人もの人が亡くなり、100万人近くが避難を余儀なくされた。
犠牲者の約8割は、小船で海に出る沿岸部の猟師たちだった。
東日本大震災を経験しただけに、牙をむいた自然の怖さを思い
知らされたスリランカでの苦しみはいかばかりだったかと、
今更ながら考えせられる。
だが、こともあろうに、この国難につけこんで、巨額の利益を
あげた資本集団があった。
津波で建物などが姿を消した沿岸部はかねてから、
リゾート開発の資本集団の眼には、富裕層にうってつけの
観光地と映っていた。だが、多くの猟師たちが暮らし、
土地所有関係などが複雑で、リゾート開発はままならなかった。
そこに、巨大な津波が押し寄せた。内陸への大量避難で沿岸部が
「空き地」状態になったのをいいことに、一気に、外資導入による
リゾート開発計画が推し進められる。弱者へのシワ寄せが強まる
公営事業の民営化も、復興計画の名のもと、急ピッチで進められた。
スリランカ政府は「悲惨な運命のいたずら」としながらも、
「この天災はスリランカにまたとないチャンスをプレゼントしてくれた」
との考えを示した。これに対して、零細漁民支援団体の代表は、
傷つき、弱りきった国民を食い物にする計画だと批判した。
戦争のあとに略奪の嵐が吹き荒れるがごとく、最初の津波のあとに
「第二の津波」が襲いかかってきた、と。
◇
そんな傍若無人な「惨事便乗型資本主義」を、カナダのジャーナリスト
であるナオミ・クラインが自著『ショック・ドクトリン』(岩波書店)で
厳しく追及している。
国内総生産(GDP)で中国に追い抜かれたとは言え、世界水準から
見れば豊かな国である日本でさえ、東北の復興は一大事業である。
貧しい国・地域が大災害で打ちひしがれた時に、自力復興がなかなか
むずかしいのは想像に難くない。自然の猛威に加えて、「惨事便乗型
資本主義」が追い打ちをかける、という例はたくさんある。
しかも、自然災害後に限らない。著者のクラインによると、
「惨事便乗型資本主義」はもともと、政変や戦争などの危機的状態に
つけこんできた経緯がある。人々がショック状態や茫然自失状態から
自分を取り戻し、社会・生活を復興させる前に、過激なまでの市場原理
主義を導入し、経済改革、利益追求に猛進する。「惨事便乗型資本主義」
による「ショック・ドクトリン」の遂行である。
古くは、1973年の軍事クーデターで独裁体制を打ち立てた
チリのピノチェト政権の時代に、「惨事便乗型資本主義」が跋扈(ばっこ)
した。「小さな政府」主義が金科玉条となり、公共部門の民営化、
福祉・医療・教育などの社会的支出の削減が断行されて、多くの国民が
窮地に追い込まれた。
2003年に始まったイラク戦争のあとにも「惨事便乗型資本主義」が
一気呵成に入り込んだ。混乱のなかで、治安維持やテロ対策にまで
民間企業が入り込む徹底ぶりだった。
◇
いろいろなことを考えさせてくれる本だ。
地球温暖化が進めば、あるいは逆に気候寒冷化に向かえば、
これまでの気象条件に支えられてきた国内外の秩序や経済活動は
影響を受けるだろう。気候変動がどちらに転ぼうが、自然災害が
増えれば、冷徹な「惨事便乗型資本主義」にとっては好機となるだろう。
米国、欧州の衰退と新興諸国の台頭が世界システムに大きな変動を
もたらすなか、こうした気候変動による不安定要因も加われば、
いったい、どのようなグローバルガバナンスを築けば、人間の顔をした
資本主義にしていけるのか。簡単には答えは見えない。
ただ、自然災害からの復興における理想的パターンとして、
クラインは、住民の直接参加による復興を挙げる。たとえば、スマトラ
沖地震後のタイの沿岸部の事例だ。漁民たちが立ち上がって
「惨事便乗型資本主義」の悪弊拡大を食い止めた。この動きで活躍した
タイ地域連合の代表は「外部の業者の参入を排し、地元社会が責任を
持って復興を行うのが望ましい」との声明を出している。
東日本大震災後の東北の復興計画においても、こうした成功物語を
参考にしていく必要があるだろう。
資本主義を全否定できる時代ではないが、市場原理を妄信するわけ
にもいかない。タイの事例が示すように、民主的な力が最後は
「惨事便乗型資本主義」を押し返す砦になる。そのことを頂門の
一針にして、「ショック・ドクトリン」への備えを怠らないことだろう。
何しろ、「ショック・ドクトリン」は、私たちがへこたれそうな時を
見計らって、やってくるのだから。
---------------(転載終了)
ショックドクトリン(抜粋版) = You Tube=
・・・以下、S.R.S 見解。
The Shock Doctrine?
「大惨事につけ込んで実施される過激な市場原理主義改革(The Rise of Disaster Capitalism)」という意味で、カナダのジャーナリスト、ナオミ・クライン(Naomi Klein)氏が昨年著した本のタイトルである。
新自由主義の経済学者ミルトン・フリードマンの「真の変革は、危機状況によってのみ可能となる」という主張に対する批判となっている。
-----はてなキーワードより。
・・・で、この記事。
2011年10月11日
asahi.com>環境>朝日地球環境フォーラム2011>吉田文彦の地球360°>記事
「ショック・ドクトリン」の衝撃
2004年12月に起きたスマトラ沖大地震は、インド洋に浮かぶ島国・
スリランカに巨大な爪痕を残した。襲ってきた津波のせいで
約3万5000人もの人が亡くなり、100万人近くが避難を余儀なくされた。
犠牲者の約8割は、小船で海に出る沿岸部の猟師たちだった。
東日本大震災を経験しただけに、牙をむいた自然の怖さを思い
知らされたスリランカでの苦しみはいかばかりだったかと、
今更ながら考えせられる。
だが、こともあろうに、この国難につけこんで、巨額の利益を
あげた資本集団があった。
津波で建物などが姿を消した沿岸部はかねてから、
リゾート開発の資本集団の眼には、富裕層にうってつけの
観光地と映っていた。だが、多くの猟師たちが暮らし、
土地所有関係などが複雑で、リゾート開発はままならなかった。
そこに、巨大な津波が押し寄せた。内陸への大量避難で沿岸部が
「空き地」状態になったのをいいことに、一気に、外資導入による
リゾート開発計画が推し進められる。弱者へのシワ寄せが強まる
公営事業の民営化も、復興計画の名のもと、急ピッチで進められた。
スリランカ政府は「悲惨な運命のいたずら」としながらも、
「この天災はスリランカにまたとないチャンスをプレゼントしてくれた」
との考えを示した。これに対して、零細漁民支援団体の代表は、
傷つき、弱りきった国民を食い物にする計画だと批判した。
戦争のあとに略奪の嵐が吹き荒れるがごとく、最初の津波のあとに
「第二の津波」が襲いかかってきた、と。
◇
そんな傍若無人な「惨事便乗型資本主義」を、カナダのジャーナリスト
であるナオミ・クラインが自著『ショック・ドクトリン』(岩波書店)で
厳しく追及している。
国内総生産(GDP)で中国に追い抜かれたとは言え、世界水準から
見れば豊かな国である日本でさえ、東北の復興は一大事業である。
貧しい国・地域が大災害で打ちひしがれた時に、自力復興がなかなか
むずかしいのは想像に難くない。自然の猛威に加えて、「惨事便乗型
資本主義」が追い打ちをかける、という例はたくさんある。
しかも、自然災害後に限らない。著者のクラインによると、
「惨事便乗型資本主義」はもともと、政変や戦争などの危機的状態に
つけこんできた経緯がある。人々がショック状態や茫然自失状態から
自分を取り戻し、社会・生活を復興させる前に、過激なまでの市場原理
主義を導入し、経済改革、利益追求に猛進する。「惨事便乗型資本主義」
による「ショック・ドクトリン」の遂行である。
古くは、1973年の軍事クーデターで独裁体制を打ち立てた
チリのピノチェト政権の時代に、「惨事便乗型資本主義」が跋扈(ばっこ)
した。「小さな政府」主義が金科玉条となり、公共部門の民営化、
福祉・医療・教育などの社会的支出の削減が断行されて、多くの国民が
窮地に追い込まれた。
2003年に始まったイラク戦争のあとにも「惨事便乗型資本主義」が
一気呵成に入り込んだ。混乱のなかで、治安維持やテロ対策にまで
民間企業が入り込む徹底ぶりだった。
◇
いろいろなことを考えさせてくれる本だ。
地球温暖化が進めば、あるいは逆に気候寒冷化に向かえば、
これまでの気象条件に支えられてきた国内外の秩序や経済活動は
影響を受けるだろう。気候変動がどちらに転ぼうが、自然災害が
増えれば、冷徹な「惨事便乗型資本主義」にとっては好機となるだろう。
米国、欧州の衰退と新興諸国の台頭が世界システムに大きな変動を
もたらすなか、こうした気候変動による不安定要因も加われば、
いったい、どのようなグローバルガバナンスを築けば、人間の顔をした
資本主義にしていけるのか。簡単には答えは見えない。
ただ、自然災害からの復興における理想的パターンとして、
クラインは、住民の直接参加による復興を挙げる。たとえば、スマトラ
沖地震後のタイの沿岸部の事例だ。漁民たちが立ち上がって
「惨事便乗型資本主義」の悪弊拡大を食い止めた。この動きで活躍した
タイ地域連合の代表は「外部の業者の参入を排し、地元社会が責任を
持って復興を行うのが望ましい」との声明を出している。
東日本大震災後の東北の復興計画においても、こうした成功物語を
参考にしていく必要があるだろう。
資本主義を全否定できる時代ではないが、市場原理を妄信するわけ
にもいかない。タイの事例が示すように、民主的な力が最後は
「惨事便乗型資本主義」を押し返す砦になる。そのことを頂門の
一針にして、「ショック・ドクトリン」への備えを怠らないことだろう。
何しろ、「ショック・ドクトリン」は、私たちがへこたれそうな時を
見計らって、やってくるのだから。
---------------(転載終了)
ショックドクトリン(抜粋版) = You Tube=
・・・以下、S.R.S 見解。
・
「大惨事につけ込むことは、思うままの変革を実行するのに有効である。」
・・・このことを熟知した策略家は、
そのような事象を自ら作り出し、利用してきました。
「アメリカ同時多発テロ事件」が陰謀であったことは間違いのないことだと
思っております。
・・・その、2001年9月11日当日。
偶然にも?軍事演習が行われており、911事件を阻止することが
不可能な状態に確実に陥れられていたわけですが・・・
明日、2011年11月9日14:00(日本時間11月10日午前4時)
FEMA緊急警報システムテストが行われます。
連邦通信委員会(FCC)と国立海洋大気庁(NOAA)と
共同で作業しているシステム(EAS)。
緊急警報の初の全国テストを実施するのですが、
このときに、全米のテレビ、ラジオが一斉に中断されます。
大規模なシステムテストですが、日本の報道では何も触れていませんね。
また、同じ11月9日~10日にかけてExercise Pacific Wave 11という
津波演習も行われます。
欧州だけでなく、米国の経済破綻(そして世界中)も懸念されていて
「オキュパイウォールストリートムーブメント」が全米、
または世界中に波及しているなかでのこの演習・・・
・・・なんとなく嫌な気配を感じます。
ただの演習で終わってくれればいいのですが・・・
「大惨事につけ込むことは、思うままの変革を実行するのに有効である。」
・・・このことを熟知した策略家は、
そのような事象を自ら作り出し、利用してきました。
「アメリカ同時多発テロ事件」が陰謀であったことは間違いのないことだと
思っております。
・・・その、2001年9月11日当日。
偶然にも?軍事演習が行われており、911事件を阻止することが
不可能な状態に確実に陥れられていたわけですが・・・
明日、2011年11月9日14:00(日本時間11月10日午前4時)
FEMA緊急警報システムテストが行われます。
連邦通信委員会(FCC)と国立海洋大気庁(NOAA)と
共同で作業しているシステム(EAS)。
緊急警報の初の全国テストを実施するのですが、
このときに、全米のテレビ、ラジオが一斉に中断されます。
大規模なシステムテストですが、日本の報道では何も触れていませんね。
また、同じ11月9日~10日にかけてExercise Pacific Wave 11という
津波演習も行われます。
欧州だけでなく、米国の経済破綻(そして世界中)も懸念されていて
「オキュパイウォールストリートムーブメント」が全米、
または世界中に波及しているなかでのこの演習・・・
・・・なんとなく嫌な気配を感じます。
ただの演習で終わってくれればいいのですが・・・
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テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済